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平屋の戸建てに必要な土地面積は?福山市や倉敷市で平屋に適した土地なども徹底解説
新築戸建て住宅と聞くと、2階建ての物件をイメージする方が多いのではないでしょうか?
しかし今は、マイホームを購入するにあたり階段を使った上下移動のない平屋を選ぶ方も増えています。
この記事では、平屋のメリットとデメリットを解説します。
記事の後半では、平屋を建てるのに必要な土地面積や、平屋に適した土地について解説するので、平屋を検討中であればぜひ参考にしてください。
平屋のメリット
平屋で生活をしたことがない方は、どのようなメリットがあるのだろうと気になるのではないでしょうか。
そもそも平屋とは、1階建て住宅のことを指します。
階段がなく、生活スペースが同じフロアに集約されているのが特徴です。
現代日本では、限られた土地に家を建てなければならないため、2階建ての住宅が主流になりました。
しかし、今でも土地を確保できれば、
平屋も選択肢のひとつとして有用でしょう。
ここでは、平屋のメリットを6つ紹介します。
- 生活導線がシンプルでわかりやすい
- バリアフリーな家づくりができる
- 開けた間取りをつくりやすい
- 家庭内でコミュニケーションがとりやすい
- 光熱費などランニングコストが安い
- 耐震性能が高く安定している
生活導線がシンプルでわかりやすい
平屋は1階建てなので上下の移動がなく、生活がすべてワンフロアで完結するため、生活導線がシンプルになります。
洗濯機置き場が1階で、洗濯物を干すベランダが2階といった間取りだと、重い洗濯物を持って階段を移動する必要があるため、体に大きな負担がかかります。
新築時はよくても、年齢を重ねるほど体にかかる負荷が顕著になるため、注意が必要です。
また、階段を使わないシンプルな生活動線は水平移動だけで済むので、高齢になったときにとくに効果を感じるでしょう。
バリアフリーな家づくりができる
年齢を重ねると車椅子での生活や、杖をついての生活が予想されます。
そういったときに、ワンフロアの平屋は移動・外出が非常に楽です。
部屋ごとの段差を減らすことで足腰への負担を軽減できるほか、
玄関に手すりやスロープを用意しておくとさらに転倒リスクの減少につながり、安全性が高まるでしょう。
開けた間取りをつくりやすい
平屋と2階建ての住宅の床面積が、同じ100㎡だったとします。
2階建て場合は単純計算で、1フロアあたり50㎡しかないので、間取りが限られてしまいます。
しかし平屋であれば、まるまる100㎡を自由に使えるため、開けた間取りをつくりやすくなり、開放的な家が作れるでしょう。
家庭内でコミュニケーションがとりやすい
ワンフロアで居住スペースが完結するため、家族のコミュニケーションが取りやすいのもメリットです。
2階に子ども部屋を作った物件では、子どもが帰宅してすぐに、階段を上って自室にこもってしまう可能性があります。
しかし、平屋であれば同じ階にいるので、リビングを通るように子ども部屋を配置すれば、コミュニケーションの頻度が減ることを防げます。
子どもが何をしているのか目が届きやすく、気軽に声をかけやすい環境が平屋の魅力です。
光熱費などランニングコストが安い
2階建て住宅と比べて、ワンフロアで完結する平屋は、気温差が生まれにくく、冷暖房効率に優れています。
エアコンをフル稼働させる必要がないため、電気代を節約できます。
また、2階にトイレや洗面所を設置する必要がなく、水回りの設備をワンフロアに集約できる点もメリットでしょう。
部屋ごとの気温差が縮まると、ヒートショックの対策にもなります。
ヒートショックは高齢者に発生しやすく、寒い冬の時期に暖かい風呂場との気温差で生じる疾患です。
気温差を少なくしてヒートショックを予防できるのは大きなポイントです。
また外壁や屋根のメンテナンス時に、2階建ての住居では高いハシゴが必要ですが、平屋の建物ではお手入れも比較的簡単になります。
耐震性能が高く安定している
建物は高さがあるほど、地震が発生したときに影響を受けやすくなります。
タワーマンションの1階と高層階で、揺れが大きく異なるという話を耳にしたことはないでしょうか?
それと同じで、2階建ての住宅よりも平屋の方が地震の影響を受けにくく、耐震性能が優れています。
また、建物の面積が狭いため、風の影響を受けにくい点もメリットでしょう。
地震や台風といった自然災害が多く発生する日本において、耐震・耐風性能が高い家は、安心をもたらします。
平屋のデメリット
平屋を検討している方は、メリットだけでなくデメリットにも着目しましょう。
ここでは以下4つのデメリットを解説します。
- 広い土地が必要になる
- 建築費用がかさみやすい
- 間取りや周辺環境次第で日当たりなどが変わる
- 水害時の逃げ場がない
広い土地が必要になる
現代日本において、2階建ての物件が中心になったのは、狭い土地に物件を建てなければならなかったためです。
たとえば100㎡の床面積の建物をつくる場合、
2階建てであれば単純計算で50㎡の敷地があれば2階に分けて実現できます。
しかし、平屋だと100㎡の敷地が必要です。
広い敷地が必要なので、建てられる場所が限られてしまう点がデメリットになります。
また、敷地面積が大きいほど、固定資産税が高くなります。
同じ床面積でも、2階建ての方が節税効果は高いので、税金が多くかかる点もデメリットでしょう。
建築費用がかさみやすい
建築費用で大きな割合を占めるのが、屋根と基礎工事です。
同じ床面積の平屋と2階建て物件を比較したときに、2階建て物件は、屋根も基礎部分も平屋の半分で済みます。
すると、平屋の方が2倍の建築費用がかかることになります。
ただし、基礎部分の工事がしっかり行われているということは、建物の構造が安定し、耐震性能が高まっているとも言い換えられます。
そのため、建築費用が高くなるのは必ずしもデメリットばかりではありません。
相応の施工費はかかりますが、2階建ての物件と違って、L字、コの字、ロの字といった形状にしやすく、
デザインの自由度が高い点も大きいでしょう。
自分の理想の形状を追求するのであれば、平屋という選択肢もひとつの方法です。
間取りや周辺環境次第で日当たりなどが変わる
周辺に2階建ての家が建ち並んでいる場合、日当たりや風通しが悪くなる場合があります。
しかし日当たり・風通しの問題は、中庭をつくることで解決しやすくなります。
平屋を検討中であれば、ぜひ中庭の造園も考慮に入れてみましょう。
平屋の大きな屋根を利用して太陽光パネルを設置する場合は、日射量を確かめてから設置すると失敗がないでしょう。
方角・角度に配慮しないと、太陽光パネルを購入した分の費用を回収できるまで、長い時間がかかってしまいます。
また、パネルの反射光が隣の家を照らしてトラブルになる可能性もあるため、太陽光パネルを設置する場合は、住宅会社に相談しましょう。
水害時の逃げ場がない
台風による大量の降水、河川の氾濫などが発生した場合、
平屋は低層のため浸水してしまうおそれがあります。
浸水が始まっても、平屋はワンフロアなので家財も水に浸ってしまいます。
浸水被害を防ぐためにも、土地を選ぶ段階で、洪水の危険性がある土地は避けるようにしましょう。
住宅会社に相談するのもよいですが、自治体が配布しているハザードマップでも確認できます。
「建ぺい率」と「容積率」
日本では、建物に関するさまざまな規制があるため、自由に物件を建てることはできません。
重要な指標として、建ぺい率と容積率の2つがあります。
これらの意味を知っておかないと、家を建てるときに不都合が発生する可能性があるため、詳しくみていきましょう。
指標 | 特徴 |
建ぺい率 | 敷地面積に対する建築面積 |
容積率 | 敷地面積に対する延床面積 |
「建ぺい率」は敷地面積に対する建築面積
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積のことを指します。
建築面積を敷地面積で割って、100をかけて算出します。
たとえば、100㎡の敷地面積に50㎡の建物を建てる場合、建ぺい率は50%です。
▼計算式
建ぺい率=建築面積(50㎡)/敷地面積(100㎡)×100=50%
敷地面積を目一杯使って建物を建てたい。
と思うかもしれませんが、防火や風通しを考慮して100%使い切ることはできません。
用途地域によって建ぺい率が制限されます。
建ぺい率を30%に抑えなければならない地域もあれば、70%まで許可されている地域もあるなど、地域によって差が見られます。
以下に用途地域別の建ぺい率をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
建ぺい率 | 用地地域 |
30・40・50・60% | 第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域 第二種中高層住居専用地域 |
50・60・80% | 第一種住居地域
第二種住居地域 準住居地域 |
また特定の条件を満たすと、建ぺい率が緩和されるので覚えておきましょう。
たとえば、建ぺい率30・40・50・60%の建物では、防火地域の耐火建築物と認められると建ぺい率に10%を加えられます。
角に当たる土地の場合、延焼防止・風通しに問題がないと認められれば、さらに10%が加えられます。
建ぺい率が50%の地域で、敷地面積が100㎡の場合、
緩和条件を認められるかどうかで20㎡(約10畳)もの差が出てくるため、必ず覚えておきましょう。
「容積率」は敷地面積に対する延べ床面積
容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の指標です。
延べ床面積を敷地面積で割り、100をかけて算出します。
1階の床面積が60㎡、2階の床面積が40㎡だった場合、延べ床面積は100㎡となります。
容積率は水平方向だけでなく、垂直方向も考慮されるため、
何階建ての建物を建てられるかの基準といえるでしょう。
なお、玄関やロフト、ベランダ・バルコニーは、延べ床面積に含まれません。
容積率も建ぺい率と同様、用途地域ごとに制限があるので、以下の表を参考にしてください。
容積率 | 用途地域 |
50・60・80・100・150・200% | 第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域 |
100・150・200・300・400・500% | 第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域 第一種住居地域 第二種住居地域 準住居地域 |
平屋を建てるのに必要な土地面積
いざ福山市や倉敷市で平屋を建てようと思ったら、どの程度の広さの土地が必要なのでしょうか?
ここでは、平屋に必要な土地面積について、詳しく解説します。
目安は55坪以上
平屋を検討している方は、55-60坪以上を目安に土地を探しましょう。
国土交通省のホームページには、誘導居住面積水準という指標が公開されています。
一般的な住宅であれば、単身者は55㎡、2人以上の世帯の場合は、25㎡×世帯人数+25㎡という基準のもと、家が建てられています。
大人2人、子ども2人の4人家族の場合は、25㎡×4+25㎡=125㎡と計算できます。
世帯人数が4人以上の場合は、5%の面積が控除されるため、118.75㎡(約36坪)が4人家族の目安です。
建ぺい率の関係で、何割か引いて36坪になるような土地を選ばなければならないため、50坪は最低でも確保しておきたいものです。
理想は70坪以上
上記の計算方法では、4人家族の住まいで必要な敷地面積が約36坪ということがわかりました。
建ぺい率による制限を考慮すると、約2倍の70坪の敷地面積を確保できるのが理想です。
また福山市や倉敷市は車社会です。
車を1台ずつ保有しているご夫婦が多く、駐車スペースも考慮する必要があります。
土地が広いほどさまざまな活用方法が生まれるので、土地単価の安い地域で広い敷地を購入できるのが理想のひとつです。
家族人数によって必要な面積は変わる
国土交通省が公表している誘導居住面積水準をもとに、家族人数ごとの必要な土地面積をまとめました。
家族の人数 誘導居住面積水準 建ぺい率50%の場合に必要な土地面積
家族の人数 | 誘導居住面積水準 | 建ぺい率50%の場合に必要な土地面積 |
1人 | 55㎡(約16坪) | 32坪 |
2人 | 75㎡(約23坪) | 46坪 |
3人 | 100㎡(約30坪) | 60坪 |
4人 | 125㎡(約36坪) | 72坪 |
5人 | 150㎡(約45坪) | 90坪 |
6人 | 175㎡(約53坪) | 106坪 |
一般的には、家族の人数によって必要な土地面積が変わってきます。
将来設計を正しく行い、将来子ども夫婦が住めるようにするのか、親夫婦だけで住むのかといった、あらゆる想定を行いましょう。
平屋に適した土地とは
ここでは、平屋に適した土地について解説します。
土地探しで悩んでいる方は、以下3つのポイントを考慮して選んでみてはいかがでしょうか。
- 余裕を持った敷地面積
- 「第一種低層住居専用地域」
もしくは「第二種低層住居専用地域」 - 日当たりなど良好な周辺環境
余裕を持った敷地面積
人生のなかでは、さまざまな変化が訪れます。
今は予定になくても、将来ガレージを作りたくなったり、家族が増えて子ども部屋を作りたくなったりするときもあるでしょう。
また、ペット用の小屋を作りたいと考えることもあるかもしれません。
そのように、後から次々と需要が出てくる可能性があるため、
あらかじめ余裕を持った敷地を選びましょう。
固定資産税は高くなってしまいますが、
地価の安い郊外の土地を視野に入れることでトータルの出費を抑えられます。
生活におけるストレスを軽減するためには、住みやすさ、機能性が重要です。
土地代を抑えて、建築・設備費用に予算を割けると、家づくりの自由度が広がるでしょう。
「第一種低層住居専用地域」もしくは「第二種低層住居専用地域」
平屋のデメリットとして、周辺環境によって日当たりや風通しが左右される点が挙げられます。
そのリスクを抑えるために、第一種低層住居専用地域または、第二種低層住居専用地域を選ぶのもよいでしょう。
これらの用途地域であれば、中・高層の物件を建てられないため、日当たり・風通しが悪くなることを避けやすくなります。
第一種低層住居専用地域に関しては、基本2階建ての建物も禁止なので、より平屋に適した土地といえるでしょう。
第一種中高層住居専用地域からは、3階建てのアパートが建てられるため、将来的に日差しや風通しに影響が出る可能性があります。
用途地域 | 特徴 |
第一種低層住居専用地域 | 低層住宅の良好な住環境を守る
基本的に2階建ての戸建て・アポートを建てられない |
第二種低層住居専用地域 | 低層住宅の良好な住環境を守る
12m以上の戸建て・アパートは建てられない |
用途地域に関する詳細は、こちらの記事でも解説しています。
日当たりなど良好な周辺環境
平屋を建てるうえで、必ず確認しておきたいのが周辺環境です。
とくに以下の3つの項目をチェックしておきましょう。
- 日当たり
- 風通し
- ハザードマップ
周辺に高層の物件が建った場合、平屋は日差しが遮られてしまう可能性があります。
洗濯物を天日干しできなくなるほか、太陽光を浴びないことで、精神を安定させるセロトニンの分泌を阻害する可能性もあります。
また、風通しが悪いと家の中に湿気がたまり、カビが繁殖しやすくなるため注意が必要です。
安全な暮らしを守るためには、ハザードマップを必ず確認しましょう。
平屋は低層のため、浸水に弱いのがデメリットです。
まとめ
現代日本では2階建ての物件が中心ですが、平屋も以下のようなメリットがあるため若いご夫婦にも人気があります。
- 生活動線がシンプルでわかりやすい
- バリアフリーな家づくりができる
- 開けた間取りをつくりやすい
- 家庭内でコミュニケーションがとりやすい
- 光熱費などランニングコストが安い
- 耐震性能が高く安定している
ただし、日当たりや風通し、浸水に関するデメリットもあるため、周辺環境のチェックは必ずしておきましょう。
また、平屋を建てようと検討している方は、50坪~60坪以上を目安に土地を探しましょう。
4人家族で70坪あるのが理想です。
周辺環境の影響を受けにくい土地候補として、第一種低層住居専用地域、もしくは、第二種低層住居専用地域が挙げられます。
何か不明なことがあれば、平屋を建てた実績のある住宅会社に相談しましょう。
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